2重スリット実験とは?簡単にまとめてみた

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 量子の世界で「2重スリット実験 The Double Slit Experiment」という実験は量子の二重性(粒子性と波動性)を示す実験として非常に有名である。自分なりに理解したことを図を交えて記したので、参考になれば幸いである。

2重スリット実験とは?

 量子が「粒子性」と「波動性」を持つことを示した実験である。つまり、量子は粒であり、波であるということを実験で証明した。具体的な実験内容は次の通りだ。

2重スリット実験の内容

2重スリット実験の概略図

電子銃で一つずつ電子をスリットに向かって発射し、スクリーンに写された電子の分布を観測する。すると、縞模様が現れ、これは干渉が生じていることを示す。干渉は波の性質であるため、量子は「波動性」を持つと言える。

干渉縞は、2つのスリットからの波の強め合いや弱め合いからで生じることから、1個の光子が、2つのスリットを同時に通り、干渉したと考えられる。

1個の粒子が複数の場所に存在する状態を、量子力学では「重ね合わせ」と呼ぶ。スリット部分で光子がどちらに来ているかを観測すると、一方でしか光子は発見されず、干渉縞は消える。

電子の確率分布(probability distribution)

電子がそこに存在する確率を考えるうえでわかりやすいように、実験図を真横から見てみよう。

2重スリット実験を真横から見た図

電子銃から発射される1粒の電子は波束という限られた場所にのみ存在する波として表すことが出来る。これは波動関数(Wavefunction)として表現されるが、実際に存在する物理的なものではない。

スリットを通った後の波動関数をそれぞれ$\psi_1, \psi_2$とし、スクリーンに存在する電子の確率は$|\psi|^2 $である。ただし、$(\psi=\psi_1+\psi_2)$。

そこに電子がある確率を示す有名な式がシュレディンガー方程式である。

【補足】なぜ粒を波で表現するのか?量子物理のお作法

波動関数と存在確率の関係
量子の世界と我々の世界

量子物理では、すべてを波として表現するのがお作法である。つまり、粒子を波として表現したものが波動関数である。波動関数の振幅を2乗すると、ここでは電子がそこに存在する確率が得られる。分布図の見方としては、山の頂点は「電子をそこで見つける確率が高い」ことを示し、谷では「電子をそこで見つける確率が低い」ということである。山の中に電子が存在すると考えることが出来る。

量子物理では確率分布を予測することしかできない。我々は量子の波の状態を見ることはできず、粒としての状態しか見ることができない。

2重スリット実験に関するトピック

 量子物理で代表的な実験である2重スリット実験に関する他のトピックを簡単に挙げておく。

重ね合わせ(Superposition)

様々な波動関数

波動関数には様々なものがある。中でも一番右の波動関数に注目したい。

重ね合わせ

上の図の一番右の波動関数に注目する。鋭い山が2つ連なっている。山の頂点は電子がいる確率が非常に高く、山の底は電子がいる確率が非常に低い。同時に2つの場所に存在することができ、これは重ね合わせと呼ばれる。

量子もつれ(Entanglement)

2つの電子の波が出会って干渉するとする。

干渉したあと、どんなに離れてもこの2つの電子の波には密接な関係がある。これを「量子もつれ」という。

まとめ

 量子物理における2重スリット実験はヤングの実験に非常に似ている。ヤングの実験の光源を極限まで小さくしたものが電子銃と考えるとわかりやすい。量子は波でも粒でもあるが、本質的なところは波にあるということがポイントだと思う。

 この実験は1974年にミラノ大学で初めて電子1個が打ち出せる電子銃を用いて行われ、比較的に新しい実験である。

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